「軟水と硬水」長生きするのはどっち?

普段何気なく飲んでいる「水」ですが、あなたは軟水と硬水を飲み分けているでしょうか?
ちょっと「水」のことを知るだけで、長生きするヒントを見つけられるかもしれません。
今回はそんな話です。

こんな論文がありました。
http://okinawa-repo.lib.u-ryukyu.ac.jp/bitstream/20.500.12001/14121/1/Vol12No1p9.pdf

ここに書かれていることは、沖縄県民は長寿だということ。理由の1つとして、温暖な地域ということもありますが、もう1つ、マグネシウムとカルシウムの摂取量も関係しているという。

日本はもともと火山活動でできた土地であるため、カルシウム含有量がもともと低い。その上に急峻な山に降った雨は、一気にミネラルを海に運びさってしまうため、ミネラルはさらに少くなり、水は軟水となる。これに対して沖縄は、隆起珊瑚でできた島であり、土地のカルシウム含量は高く、水は硬水である。

実際沖縄は、健康で長生きできる人(自分で食事ができる割合)が、全国45.9%に対して沖縄76.5%である。トイレ、風呂、身の回りの世話などについても、沖縄の100歳老人の自律度が高い。これらのことは、沖縄県民は日本一の長寿であり、しかも老人の健康度が高いことを示 しています。

他にも岡山大学の硬水の地域と軟水の地域で脳卒中の死亡率を比較した研究では、硬水地域の死亡率が低いことが報告されています。

そもそも軟水と硬水って?
ズバリ!「硬度」の違いです。硬度というのは、お水1Lあたりのカルシウムやマグネシウムの含有量で、WHO(世界保健機関)が定める基準では硬度120mg未満が軟水、120mg以上が硬水とされています。
「硬度」というのはカルシウムとマグネシウムの含有量ですので、これらの濃度が高い硬水は、口当たりが重く苦みを感じます。反対にカルシウムやマグネシウムの濃度が低い軟水は、まろやかな口当たりとさっぱりとした風味が特徴です。私たちが普段日本で飲んでいる水道水や国産のミネラルウォーターはほとんどが軟水ですので、日本人には硬度の低いお水の方が合うと言われています。

硬水のメリット・デメリット
研究結果から硬水がかなり良さそうな気がしますが、デメリットもあるので、それぞれ見ていきましょう!

メリット
【便秘解消】
マグネシウムは下剤に使われていることもあり、マグネシウムを多く含む硬水は、消化器系に影響を与えて便通を良くする効果が期待できます。便秘気味の人が硬水のミネラルウォーターを飲むことで、便秘が改善されるケースもあります。

【アクだしに向いている】
料理する際なのですが、硬水には肉の臭みを消したり、煮込んだ時にアクを出やすくしたりする働きがあります。ちなみに、和風の旨味成分といわれるアミノ酸やたんぱく質もアクとして出てしまうため、洋風の煮込み料理に適していると言われています。

【動脈硬化の予防】
カルシウムやマグネシウムが多く含まれている硬水には、血液をさらさらにする効果があると言われていて、動脈硬化を予防して、先程の研究にもありましたが、脳卒中、心筋梗塞、脳梗塞といったリスクを減らすことが期待されています。

デメリット
【お腹がゆるくなる】
胃腸が弱い人の場合は、硬水に多く含まれるマグネシウムの影響でお腹がゆるくなってしまうこともあります。
一気に飲もうとせず、こまめに飲むことをおすすめします。

【素材の風味を活かしたい料理に適さない】
硬水に多く含まれているマグネシウムには独特の苦みと風味、香りがあるため、料理の味付けの邪魔になることも。紅茶や珈琲など香りを楽しみたい飲料や、素材の風味を活かしたい料理には適していません。

軟水のメリット・デメリット

メリット
【日本料理に適している】
日本料理は素材を活かした繊細な味付けを魅力としていることが多いかと思います。軟水は基本的に無味無臭ですから、日本料理や香りを楽しみたい飲み物には最適です。

【小さな子どもでも安心】
軟水はマグネシウムの含有量も少なくお腹にも優しいため、赤ちゃんや小さな子どもにも安心して与えることができます。しかし、硬水にはマグネシウムが多く含まれていて、胃腸に大きな負担がかかってしまうため、子どもの飲用としては適していません。

【肌や髪に優しい】
軟水は肌や髪にも優しく、身体や髪を洗っても心配はほとんどありません。硬水で体や髪を洗うと、カルシウムイオンやマグネシウムイオンの影響で、肌がつっぱったり髪がパサパサしたりすることがあります。
海外は硬水が多いので、部屋のシャワーを使うと髪がたしかにキシキシになったことがありますね。

デメリット
【ミネラルが補給できない】
ミネラルには便秘やむくみを解消したり、筋肉の痙攣や足がつるのを予防するなどの効果がありますので、日頃から一定量摂取する必要があります。現代人が不足しがちと言われるマグネシウムやカルシウムなどのミネラルが少ない軟水では、多くの摂取は望めません。

これらから、軟水と硬水にはそれぞれメリット・デメリットがあることがわかりました。

まとめると
基本的に日本人は軟水をよく飲む傾向があるので、意識して、たまにでも硬水の「水」を飲むのが健康、そして長寿に良さそうですね。
それと硬水はガバガバ飲むのはおすすめしないので、夏の暑い時期、特に熱中症対策としては、水分の吸収率の高い、軟水を飲むことをおすすめします!

それでは!
また、最後に軟水と硬水の水のラインナップを簡単に紹介しておきます。

軟水

いろはす

南アルプス天然水

クリスタルガイザー

Volvic

硬水

エビアン

ペリエ