果物にはエネルギー源となる糖質以外にも、ビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富に含まれています。このような果物の摂取は、野菜と同じくらいにがんや乳がん、胃がん、心臓病などの生活習慣病の予防に有効であることが、近年の疫学研究により明らかにされてきています。
たしかに野菜は健康に良いし食べないと!と思うことがありますが、果物に関しては、どこか軽視してきた部分が私自身もあったかもしれません。今回は果物もしっかりとったほうがいいのでは?といった話です。
近年の研究では1日800gの野菜と果物で死亡リスクを最大に減少できるといわれています。
正直この数字の量の野菜と果物を摂取するのはとても難しいでしょう。
しかし、そこまで頑張らなくても効果が期待できるよ?といった研究もありました。
それが果物摂取と生活習慣病の予防についての研究です。https://www.jstage.jst.go.jp/article/eiyogakuzashi1941/61/6/61_6_343/_article/-char/ja/
その中で日本人を対象にした研究では、厚生労働省コホート研究がありました。この研究は、岩手・秋田・長野・沖縄に住む40~59歳の男女39,993人を対象に行われました。食品との関連を解析した結果、果物を「週1日未満」しか食べないグループと胃がんの発生率を、「週1~2日」食べるグループ、「週3~4日」、「ほとんど毎日」で比べました。胃がんの発生率は「週1日未満」のグループに比べて,「週1~2日」以上のグループでは、いずれも大きな違いはないという結果となったのです!
この研究では「週1日未満」のグループは全体の8%ほどで、がんのリスクが高いのはこのような少ないグループであり、それ以外の大多数では果物の摂取頻度が増えても胃がん発生のリスクとは関係ないことになりました。
つまり、全く食べないのは健康に良くないけど、少しでも食べると体に良いよ。ということですね。
厚生労働省は1日に350gの野菜と200gの果物を食べることを推奨しているみたいですが、こんなにたくさん毎日取るのは無理だ!と諦めず、少しでも野菜と果物を取るよう意識するだけで死亡リスクを減少させることは大切みたいです。
それでは!